先週末、名古屋に観劇遠征したついでに奈良・京都に行ってきました。
台風に怯えておりましたが大丈夫でした。よかった~
名古屋泊→翌朝京都、荷物を預けて近鉄で奈良へ→夕方京都へ戻る、という忙しないスケジュールでしたが、堪能できました。
今回の旅のテーマは「とにかく気が済むまで歩く」。
今年の春にも奈良に行ったのですが、目的地が別で奈良公園の辺りは素通り。その中で気になっていた場所に行って自分の気を済ませようと思い。結果まだ気が済まないわ、なんですが、まあまあ歩けたかな。
とにかくどっぷりとさださんの歌の世界に浸りたかったのでそれを優先しました。
「まほろば」
http://www.uta-net.com/user/phplib/view_0.php?ID=64355
「修二会」
http://www.uta-net.com/user/phplib/view_0.php?ID=95888
この2つの世界を漂いたい。ずっと考えていたので。
◎近鉄の車窓から
近鉄奈良線の車窓から大極殿が見えました。今回目的が東大寺・春日大社の辺りでしたので、ここは遠いからパス!電車から見えたからいいや~という世の中の流れから外れた観光客。帰りはとっぷり暮れていたのでライトアップも見えましたよ。勿論内部も見てみたかったですけれどね~そして駅前にも居ろよ、せんとくん。
奈良駅からいざ。行基様の像からスタート。
◎興福寺
http://www.kohfukuji.com/
道なりに歩いていくとまず興福寺国宝館の行列が目に入る。並んじゃえ、と列に。20~30分待ちだったかな?
ここはむかーし、中学の修学旅行で訪れて以来かしら。昔のがらんと愛想のない国宝館の方が雰囲気あったかも。ガラスケースに入った国宝もじっくり見放題だったような。教科書で見る阿修羅像や仏頭に感激した記憶があります。勿論綺麗になった内装とガラスなしで拝見できるお宝の数々はこれまた有難いのですが。昔の方が内部の雰囲気込みでタイムスリップ感があった記憶なもので。
乾漆八部衆立像はどれもじっくりと見ることができて面白かった。じっくり、というのはスターさん阿修羅像の辺りでみんな止まってしまい列が動かないからなのです。でも堪えてしっかり前列キープして遮るものなしで見てきたもんね。どのお顔も装飾も繊細で見ごたえがありました。
最近見仏記のDVDをまとめ見したので、仏像を見てあれこれと言いたいこともあり。こういう時一人ってのは寂しいなあ、と思いながら拝観しました。
次に特別拝観中の五重塔初層・東金堂・東金堂後堂。各所に説明員の方がいて解説もついていました。
まず五重塔。
塔の中に入れるとは嬉しいですよね。初層にて心柱のぐるり四方に安置された仏像を鑑賞できます。
そして東金堂へ。
ご本尊正面のみならず特別に後堂を見ることができるとのことでした。(見仏記的に言うとバックステージパスが出たってことね ^ ^ )
まずご本尊の薬師如来像が素晴らしい。そして後堂にて正了知大将像を拝見。私このご本尊の裏側に回ってみるのって好きです。なんかドキドキしませんか?
鹿も慣れるとさらっとよけて歩くことができる。
鹿せんべい待ち。
◎塔の茶屋
http://www14.ocn.ne.jp/~tyagayu/index.html
到着していきなりどっぷり興福寺を堪能し既にお腹が減ったのでお昼に。ここで、春に気になっていた茶粥が食べたくて、「塔の茶屋」さんに行きました。興福寺五重塔の近くにあります。
中に入るとお茶室のような間に通される。左右の隅に座布団だけが並べられ、客人は向かい合って正座しています。私もその座に加わり、茶粥弁当を注文。びっくりしたのはテーブルがない。畳にじかにお盆が置かれます。お茶席のイメージでしょうか。食べにくかったですが、これもまた経験と足を適度に崩して頂く。茶粥は緑茶で炊いてあり、とっても美味い!(茶粥大好き)お惣菜も多種で美味しくてお腹一杯。お粥さんであっさりと思ったら大間違い。大満足です。わらび持ちもついています。
◎飛火野
<春日山から飛火野辺り>・・・この飛火野を漂うというのをやってみたかったので改めて飛火野という場所を確認。そして誰もいない場所をずんずんと歩いてみました。
順序でいえば東大寺を先に考えていたのですがどうしても気になって道をそれる。
<馬酔木の森の馬酔木に>ということで馬酔木の茂る場所を歩かねばと地図を確認。ささやきの小道というところが雰囲気ありそう。しかし拝観時間もあるので思いなおして先に東大寺へ行くことにしました。(結局それで春日大社詣での時間が夕刻となり、更に道がわかりにくいこともあって、ささやきの小道は歩けませんでした)
◎東大寺
http://www.todaiji.or.jp/
さて今度は「修二会」の世界です。この歌と出会わなければそれ程お水取りの行事に関心は向かなかったと思います。
更にNHKで「大仏開眼」というドラマを見て大仏造りに関わった人々の思いを初めて知ったので、大仏様の見方が変わるであろうと期待しての拝観です。
風格のある南大門。
大仏殿。
大仏様撮影会。
大きな仏さまを造ったたくさんの人々の心を感じて手をあわせる。京都よりもより深く、奈良にいるとこんな私でも救って頂けるような懐の深さを感じます。大仏様はその象徴のように感じました。
瓦寄進をしてきました。瓦に筆で祈願内容と名前を書かねばならず・・・字がド下手な私は軽く後悔。でも崩し字で上手さを演出・・・できたかしら;できてないね;しばらく晒されるのがとっても恥ずかしかった。
さて二月堂へ。
閼伽井屋(若狭井)。お香水を取る井戸。
そして他のお客さんたちと逆行する形になりましたが、確かここからお松明が上っていくのでは?と思い、左横の急な階段を上ってお堂へ。
そしてこれが女人結界の格子なわけですね。この格子から中へは女性は入れません。
静かなお堂での時間の中にいると行事の様子が想像できません。ここで行われる行は一体どんなものなのかしら。でも寒い中の混雑や長い待ち時間はな~
お松明の動画はこちらが鮮明でよかったです。
五体投地の荒行はどんな音がするのだろう。祈りの声はここでどんな風に響くのだろう。体感してみたいなあ。
無料休憩所には使用されたお松明が展示されていました。
二月堂から降りて、三月堂・法華堂へ。
法華堂修理中とのことで、その間何体かの仏像がガラス越しではあるが間近で見られる展示形態となっていた。仏像について詳しくはないが、間近に拝見する梵天・弁財天・帝釈天(パンフレットより)は見応えがあった。仏像の指が今にも動き出しそうに見え、その指先に見とれた。大きな仏像を間近で見ると、包まれるような気持ちになる。仏様って人に近い形をしているから、その手が動いて、こちらに触れてくれる様を容易に想像できてしまう。それは単に想像・幻想だけれど、勝手に癒されるんだよね。そこに湛えられた、仏像を作った人の気持ちも、もしかしたら同時に感じているのかもしれませんね。
法華堂を出て、後ろ髪を引かれる思いで、東大寺を後にしました。
◎春日大社
http://www.kasugataisha.or.jp/
春日大社付近まで来ると、春日山原始林の風情が迫ってくるようで、太古から現在までの時間がひとつに繋がって混在しているかのような、とても幻想的な空気に包まれて歩くことができます。
途中、まるでお写真どうぞといった立ち姿の鹿さんたち。
こちらを参拝する頃にはもう提灯に灯りが点っていました。萬葉植物園にも立ち寄りたかったのですが、近くのお茶屋さんで一服し、刻々と時間が過ぎてしまい、春日大社へのお参りだけにしました。
本当はここからささやきの小道を通って、更に色々漂って、ならまち付近に出たかったのですが・・・時間的に無理。日帰りだとこれが精一杯かな~次は絶対泊まりだな~
夕刻の奈良公園。駅への道すがら、あちこちで鹿が鳴き声をあげている。ねぐらを探して鳴くとはこのことか。烏もそろそろねぐらへ帰るか。
誰もいない夜のここを漂ってみたい・・・怖さよりも幻想が勝って、想像力だけがふらふらと道を逆行して宵闇へ向かっていきます。
ということで奈良散歩でした。
若草山、萬葉植物園、ならまち散策。まだまだ行きたいところがある。範囲を広げて考えれば、もっと欲が出てくる。十代の頃にハマった飛鳥村にもまた行ってみたい。
次はいつ行けるかしら。老後は奈良か京都に住みたい・・・なんてことまで考えてしまう程、帰りたくない帰路となりました。
(京都へつづく)
コメント
投稿できますかな…ドキドキ(-.-;)
ジンジャーでテーラーな私にはお腹いっぱいなお写真の数々。ありがとうございます。
●くのいちさん
はい、無事投稿できています!
ジンジャー・テーラーいいですよね~
京都もいいけれど、奈良ってもっとどっぷりいけちゃう空間でした。
うーん、冬の奈良も行きたい。
強欲だわ・・・