「立川志らく独演会」~昭和の名人に挑戦~

2007/3/9(金)19:00開演 於:銀座ブロッサム中央会館

志らく師匠の独演会に行ってきました。
なにしろ落語は好きだけど、既知の噺は少ない。
今回の噺はどれも知りませんし、昭和の名人と言われてもぴんとこない。
今年70歳のうちの親にはわかる名人たち。
名前は知っていても聴いたことがないから比べようもないし。
でもきっといいものが聴けるであろうと期待して行って参りました。
素人故に的外れな感想になるかと思います。
先に謝っておきます。ごめんなすって。

幕が上がる前からお囃子が始まるのですが、この音がなんとも、COOL!
(ああ、ボキャブラリーの貧しさに恥)
幕が開いてすぐ志らくさんが登場かとおもいきや、志ら乃さんが出てきた!
(開口一番、というのだそうですね)
中央会館=へそをいじって快感を得ている人・・・
繰り返し聞いて、納得・・・
詳しくは志ら乃さんのブログ(当たり障りの無い方?)でどうぞ
https://ameblo.jp/st-blog/

そして志らくさんの登場。出囃子『鳩ぽっぽ』。
演目はみっつ。
「心眼」盲目の男、梅喜に起こる奇跡。<文楽>
「双蝶々」盗みと人殺しをした長吉とその親の悲劇。<円生>
「お直し」歳をとった花魁と花魁に惚れて亭主となった男衆。堕ちた生活の中での夫婦の愛と絆。<志ん生>

確かにどれも「陰」「闇」といったキーワードが浮かぶ噺です。
それを志らくさんは笑いも交えながら演じていく。
笑いがあるから「陰」も「闇」も冴える。
江戸の暮らしの下層界での人々のうごめきがリアルに想像できる。
「笑い」と「凄み」を演じることができる、
志らくさんはすごい人だなあと思いました。
落語家さんはひとりで老若男女全部をこなします。
登場人物も様々。
志らくさんの演技はすべてに熱が入っている。
それぞれが持つ特有の「熱」。
またこの人の噺を聴きたい、そう思いました。
そして元々の名人たちの噺も聴きたいなと思いました。

クラシックと一緒で落語も元ネタを知っていないと楽しめないのではないかと
心配しておりましたが、そんなことはないのですね。

良い指揮者が振れば知らない曲でも聴き入ることができるのと同じ。
演じる「人間」が良ければ、落語も心に染みてくるのです。

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