「青春の言葉 風街の歌 ~No.1ヒットメーカー 作詞家 松本隆の40年~」を見た。
70~80年代にたくさんのヒット曲を提供した作詞家。改めて、あ~これもこの人が書いたのか!と気づくことができて興味深い番組だった。
今回特に興味深かったのはジャニーズ二組に書いた詞。
マッチの「スニーカーぶる~す」。冒頭の「ペアでそろえたスニーカー 春夏秋と駆けぬけ 離ればなれの冬が来る」・・・このたった3行ほどで出会いから現在までの二人の景色が鮮やかに想像できてしまう。つまらない着眼点かもしれないけれど、これって凄いんじゃない?と今更感心してしまいました。
文章を書くことに興味のある私にとって何が一番驚異かといえば、少ない単語で物語を形成してしまう「作詞」の世界である。
松本さんはインタビューの中でテクニックはいらないんだよね、と仰っていたが、いやこれは最低限物書きのテクニックを持っている人こそが言えるセリフであり、その基礎を持っていない人間が言うべきセリフではないんだよね。
Kinki kidsの歌にも興味を持ちました。私はジャニーズにあんまり興味がないので、ちゃんと聴いたことがなかったんだけれど、Kinki kidsはまとめて聴いてみようかなっていう気になりました。
マッチもキンキも、本人を見ないで歌詞をガン見w(あ、でもキンキの二人は人間的に興味があります)
言葉の美しさや実際の自分の生活に流れる光景・心理、大衆が求めている歌の世界には、やはりそういったものが不可欠なのだろうなと、松本さんの仕事を見て思いました。
みんなが見たいもの、聴きたいものを作ればいい、そんなことを言う松本さんの言葉には、上から目線というものを感じません。それこそ松本さんの大切にしている風のように私たちの間を吹きぬけ、街を見て、感じ取られた風景・情景を感じる。私はこういう方を見つけると、天使だな~って思います。地面からちょっと浮いたところにいて、でも天界ではなく我々の日常と同じ目線でものを見ている存在。(モノ作りって、天使の仕事だと、自分は思っているもので)
あと変な発想かもだけど、はっぴいえんど、YMO、このあたりはどうしてもおぼっちゃまなイメージでして(実際そうだよね?詳しくは知らないけれど)、なんというかこの方たちの作ってきた文化には平安貴族文化的な香りがする(ごめんなさいね、ざっくりしたものの言い方で;)。松本さんや細野さんやユーミンの作る歌謡曲は作る人が生まれ持った‘品性’を湛えている。この品性というものも、大衆が安心してそれを受取ることのできる大切な要素ではないかと思うのですよ。
それからね、何かを興し、勃発させただけでなくそこにちゃんとした流れを作るのは文学青年・文学少女の功績である、とも思います。これは今読んでいる宮沢章夫さんの本でも感じたこと。自分が文系人間だから良いように結び付けたいのかもしれませんが。
長いつぶやきになっちゃったな~
80年代、よかったな!だけでなく、もそっと深く突っ込んで考えると、人生の先輩たちが何故凄かったのかが具体的に見えてくるかもしれない、そんな気持ちのきっかけとなる番組でもありました。
コメント
うーむ、このあたりの話は、じっくり話してみたいトピックの一つです。
●たかじぃさん
うーむ、プロのご意見も伺えるチャンスですね ^ ^
明るくて健康的で品性もあって・・・
でもそれだけじゃ飽き足らないのがこれまた大衆
大衆向けじゃ飽き足らないという需要もまたあり・・・
音楽に限らず、どの文化にも共通する話でしょうかねぇ