ヒトのこころに隠れてあるもの

精神科領域の話に興味があります。
精神科のお医者さんの著書を読むのが好きです。

いくつもの症例を読むと思えてくるのは、‘普通の人間’などというのは我々が社会の中で問題を起こさない程度に過ごす為に作られた不文律、あるいは透明なプロトタイプ(雛形が実在しない)みたいなもので、何が普通かなんてことは決めてかかれることではない、ということ。

精神科を訪れる人々は何かが原因で己の歯車が狂い、本来人間の中に潜み、誰しもに内在し得る叫びがどうしようもなく表面に浮き出てしまった人々なのだと思います。
病室で語られることはすべて‘正直な私’。
矯正されていない人間像を見ることができます。

様々な人が抱えている様々な問題に触れ、それをぐっと自分にも引き寄せてみて、そこから自分なりの様々な思いに発展、展開させて思考してみるのです。
人の内面にはどうしようもなく色んなことが渦巻いている。
自分も含めて‘人’を知る一個の手段として、精神科医の記録を読むのです。

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