「しげるの素」其の22 ~ 3

続きです。
★その他「西瓜」に纏わる話など
●今回は最初に「西瓜割」というのだけが決まっていた。そこで当初斉木さんは武士のような強いイメージで芝居をする(西瓜を割る)つもりだったが、宮沢さんからは緩く、との演出要請。しかし後に大竹さんから、やはりきりっとやった方がいいとの意見も出されたり。西瓜割の男のイメージには紆余曲折があった模様。
●衣装チェンジは15回!これは今までに比べると多いらしい。
●何故中村有志さんが舞台の上にずっといることになったのか?
宮沢さんは「動かない蟻」を観たそうです。で、「蟻」において有志さんは舞台に出たりはけたりを繰り返してあまり舞台上に長くいることがなかった、だから次は出ずっぱりにしようという提案だったそうです。斉木さんは、自分のことじゃないからと、あっさりと賛成したらしい。
●斉木さんは、何故宮沢さんが‘溝’にこだわったのかがわからないそうです。
●今回客演の戌井昭人さん。祖父は文学座で代表を務められた戌井市郎さん。サラブレッドだね~と斉木さん。
北川昇吾さん(きたろうさんの息子さん)がきたろうさんに戌井昭人さんという凄い人がいると教え、それできたろうさんが鉄割アルバトロスケットを観に行った、という経緯でのご縁だそうです。
●同じく客演の笠木泉さんについて。素タッフツイートが正確ですので引用。
→<笠木泉さんへの感想「コントと演劇は違う中でよくやってくれたと思う。演技の仕方が違うから。稽古の時の宮沢さんからの一言一句の修正指摘を、毎回反芻してきてたし」(byしげる)>
→陰の努力があったというお話に、感心しました。
●東京公演はとにかく余裕がないけれど、その後徐々に余裕が生まれてくる。東京は緊張するけれど、その後の大阪辺りが緊張と緩和の塩梅が丁度いいとのこと。自分に台詞が来るきっかけの他人の台詞は先に覚えるが、それ以外の部分は後半徐々に入っていく。
●大阪のお客さんは笑いに慣れているので演じ手もテンポよく進められるとのことです。他の地域ではいつまでも笑っているお客がいて、笑い待ち(そのお客さんの笑いが止まるのを待つ)をすることもあるが、大阪にはそれがない。大阪のお客は次を聴きたいから笑ってすぐ止める、というのが斉木さんの分析です。
●各劇場の喫煙場所事情
世田谷パブリックシアターの舞台袖は禁煙(既出ですが、申請すれば舞台上では喫煙OK)。ちなみにシアター・ドラマシティは袖や裏の各所に灰皿があり、その意味でとても嬉しい劇場なのだそうです。北九州芸術劇場もその意味で良い劇場だったとか。一服できるかどうかが、愛煙家の方々にとっては重要なのですね。
●今回の公演、素の会場のお客さんによる感想でも「かっこよかった」との感想が多数。「斉木さんのスーツ姿もかっこよかったです」の感想に、斉木さん「俺にかっこいいという要素はない」。そして舞台についても、かっこいいかあ?と首をかしげる。それに対して素タッフ&客が「かっこいいですよ!」の総ツッコミ。ご本人はあくまでもピンとこないようでした。それこそ後から映像で見ないとわからない全体の雰囲気というものが、出演者の方々にはありますものね。
★宮沢さんのツイートを斉木さんに読んでもらってみた。その反応。。
●舞台美術に吊るされたシートに映し出された文字を見て、斉木さんが「CBってなんだ?」と言ったという話。斉木さんからの反論は(笑)「CBという文字に見えなかったの!」つまり、映し出された文字がCBには見えなかったと。映像で確かめてみようじゃないか!ということになったそうです。WOWOW放送映像で改めて見ると、確かに「B」がBに見えない感じがわかります。しげる「シティボーイズの略だなんてことは知ってるよ!」伝説って、ちょっとした伝言ゲームのずれから生まれてくるものかも、と筆者は思いました(笑)
●宮沢さんの斉木さんに関するこのツイートを斉木さんご本人が読み上げて・・・
(注:ママ引用)
 ↓↓↓
あと、さんざんみんなから、斎木さんが台詞を覚えないと言われていたが、ここまでほぼノーミスだ。むしろ力が入り過ぎて困る。20年以上前に、斎木さんのあのトーンをあるコントで発見し、それは大発見だったが、それを求められ続けてしまったのかと思う。斎木さん淡々と芝居しても絶対面白いはず。
 ↓↓↓
(読み上げた後、間髪入れずに)
「直接俺に言えよ!!」(客、爆笑)
直接言われていませんでしたか(笑)
そして更に斉木さん「淡々とした芝居は俺が面白くない!」って(笑)
宮沢さんが発見した斉木さんのトーンとは?の話から、斉木さんが「ドアを叩く人」のことかなとも。このコントを知らない人の為にどんなギャグだったのかを口頭で説明したのですが・・・。言葉で説明するとあまり面白さが伝わらないかも、と思いましたです。
●やはり宮沢さんのツイートで、斉木さんが北九州劇場に入ってからの場当たりで「この辺に西瓜はありませんか」を「この辺にカツラはありませんか」と言ってしまったというエピソードについて。
北九州の前に、斉木さん、自宅で無意識に「カツラは落ちていませんか?」といったことをつぶやいて、自分でびっくりしたそうです。で、本番で言ってしまったらどうしようと心配していたそうですが、本番じゃなくてよかった、との談でした。
★昔の宮沢さんは怖かったという話
●ラジカル時代、宮沢さんはとても厳しい作・演出家であったという思い出話も。シティボーイズショーからラジカル・ガジベリビンバ・システムになった頃。公演本番中は舞台袖で腕組みしながら立って見ていて、役者が余計なことをすると怒った顔になって怖かった、と。その厳しさはまるで学生演劇のようであったと。所謂スタニスラフスキー・システムみたいな厳しさ。斉木さんが学生時代やっていたロシア演劇の思い出も交えてのお話でした。意味のない動きをしてはいけないというスタニスラフスキー・システム、そんな雰囲気がラジカルにはあったようです。宮沢さんのこだわりがやがてシティボーイズの<笑い>における考えとずれていき、やがて離れていく過程は、ファンの皆様にはよく知られている話ですよね。
★休憩中にはこんな話も
●休憩中、間近で台本を見せてもらいながら「ラジカルは音楽の版権の都合でDVD化できないというような話を聞きましたが、せめて台本で出版してもらえませんかねぇ」と斉木さんにぽつりと言ってしまいまして。それを受けて斉木さん「音楽は版権が高いからねぇ。作った方が安上がりなんだよ。『愚者の代弁者、西へ』の音楽も西部劇のものをそのまま使えば早いけれど、小西君に作ってもらった」。それを受けて「TVでもよく使用されていますよね」と返したら、「曲が売れてもお金が入るのは小西君のところにだけ(笑)」。
★今<笑い>を作る若い人たちへ
●自分たちは売れる売れないではなく、楽しいか楽しくないかでやってきた、だから今の若い人たちにも、そういう風にやってほしい、といったことを斉木さんは仰っていました。
シティボーイズファンは思わず頷いてしまう、斉木さんからのメッセージでありました。
以上、「素22」お話部分のレポートでした。
更に更に「西瓜」で使用した小物や衣装のプレゼント大会の模様とそれらの写真はまた別に続けてアップします。
続きます。

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