今年のKKP#5『TAKEOFF~ライト三兄弟~』の感想文を書きます。
ちょっとカタイことも書きたいです。
2006年のTAKEOFFは、とにかく面白くて、妙な熱に浮かされた本多劇場通いとなった公演でした。
2007年のTAKEOFFは、一旦色んなものをそぎ落として、より物語をきれいにきちんと見せることを第一義に考えられた再演であったように思います。
自分探しをしながら己の方角が見つけられない人と、築いたものが崩れてしまって途方に暮れる人と、夢と現実が合致してくれなくて組織からドロップアウトして飛べなくなってしまった人と。
「PAPER RUNNER」は走り続ける人たちへのエールだったけど、「TAKEOFF」はその外側にいる人たちの助走の物語だったと思います。
走りたくても走れない。というか、走ろうとしない。走ることを思いつかない人たち。この「走る」を「飛ぶ」に置き換えて、ある日の出会いによって、思いつかなかった「飛ぶ」ことを思いついた人たち。
出会いとは特に劇的なものではなく、なんとなく出会った人と、なんとなく始めたことが、「飛ぶ」きっかけになったりする。生きて、色んな人たちと出会っていけばいい。そうすればある日、「飛ぶ」なんてことも思いつき、できるのかもしれない、そんな風に思いました。
ラーメンズ公式サイトの久ヶ沢さんのコメント。
>『この観劇で、やっぱり仕事を辞めて自分の好きな道に進む事にしました』
>という内容のものが非常に多かった。
>一言。
>「冷静に!」
これは久ヶ沢さんと同年代の私からも若いみなさんには言いたいことでもあります。
例えばオリベさんのこんなセリフはどうだろう。
「お前はそうやって逃げてばかりで終わるのか」(注:セリフ、ママではありません)
勿論、兄貴もおっしゃっているように、自分の人生なのだから、好きなように生きるのがいいに決まっています。でも好きな道を選んで進んだとしても、どこにだって辛いこと、自分ではどうしようもないこと、思いもつかなかったような嫌なこと・・・そんな逃げたくなるような場面はたくさんあります。
会社は自分のいる場所じゃないから、辞めて好きな道へ行く。でもそこが最初からバラ色じゃないからといって、逃げないで、頑張ってみてほしいのです。
そういう頑張りがあってこそ、「やってやれねー事はねえ!」なんじゃないかなと思うのです。
助走しても飛べないこともある。
でも助走を何度も繰り返すと本当に飛ぶ時のための力がついてくる。
みなさんはどんなところへ飛び立ちたいですか?
私も今回の再演で、自らが「飛ぶ」ことについて随分考えさせてもらいました。
私も大人なりに、「飛ぶ」試みをしようと思っております。
とまあ、真面目に語っちゃいましたが。
再演には本当に感謝です。
芯のしっかりした良い脚本なんだな~ということも改めて思いました。
平日の会社帰りの観劇では、最後HAEと一緒に心が飛ぶのが難しかった。
重苦しい現実が邪魔をして、たぶん上手く乗ることができなかったんだろう。
ラストフライトは充分に休息もとってからだったから、切り替えられた気持ちで、素直に一緒に飛ぶことができました。
飛ばせてもらって感謝感激。
3人の仲良しさんぶりにも超ほっこり。
「走る」「飛ぶ」・・・次は何かな?
次は仁さんも混ぜてあげてくださーーーい!!