「天翔ける風に」

2009/8/23(日)13:00開演 於:東京芸術劇場 中ホール

TSミュージカルファンデーション
http://www.tsmusical.com/

お財布が苦しい中、迷いに迷ってA席で観てきました。
でもむしろ2階席(D列ほぼセンター)は視界も良くて全体を見ることができて良かった!

TS最高!
アクロバティックな役者さんたちの動きは夢の遊眠社を思い出させるものもあり、ああ身体を自在に動かせてこそ役者っ!って心の中で握りこぶし作っちゃいましたわ ^ ^
感想書くのはとても難しいのですが~
思ったことを書いてみます。

「罪と罰」は薄らぼんやりとしかあらすじを知らないのですが、「天翔ける風に」で少し理解できたような気がします。

私はこのお話はただラスコーリニコフの個人的な内面を描く作品だと思っていたのですが、ただ個の問題ではなく、ロシアのある混乱した時代にその社会が孕んだ問題を読む者に投げかける作品である、ということがわかりました。

これは原作をしっかりと読みたいわと思い、帰り道、本屋に赴いたのですが・・・
厚い本で上下巻!買わずに帰ってきました・・・が、やっぱり読んでみたいかな。
原作を読んで、それから改めてもう一度この舞台を観たいなあと思います。
(でも公演が終わるまで読みきれないわ・・・(+_+))

シェイクスピア同様、場所を日本、時を歴史上のどこかに設定し直してもらえると、わかりやすくなるなあと思いました。
幕末の混乱期。思想の旗を掲げたことで流されたであろう夥しい数の血について改めて想いを馳せると、非常に虚しくなります。思想に酔う人々の中においての才谷は、より際立って、私には正しく賢い人に見えてしまう。人類の選択として、‘血を流さない’ということが最も賢く快適である、そんな単純明快なことを才谷は一人冷静に実行しているように思えました。
英の悲しさは犯した罪を罪と理解できないこと。それはその時代が人に与えた病ではなかろうかと。それでも観ていく内に、問題は時代や社会にあらず、という風にも思えてきて。
「罪と罰」→「贋作 罪と罰」→もう一回「天翔ける風に」
のルートを辿りたいわ~

なまわかりの状態なので感想もこのくらいにしておきます。
たーたんのカッコよさったら!
スタイル、立ち回り、男前なんだよね~
衣装もまたカッコいいですよね~
男役という力も抜けて、英という‘人間’を精一杯演じていたと思います。
美しい人だな。

TS演出はパワフルで、それでいて美しい。
謝さんの演出・振付にはいつも「流れ」を感じています。
たくさんの点が淀みなく次へ次へと美しく流れていく。
暗闇の中でキャストがライトを振り回す演出などもキレイでした。
赤い衣装の群集のええじゃないかには鳥肌が立ちました。
「生」のパワーを存分に感じたな。

TS、何故今まで観に来なかったのだろう!って思いましたよ。
これも諦めずに観ておいて良かった。
今回リピートは無理そうですけれど、次回再演する場合もたーたんさんで是非っ。

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