2010/12/12(日)12:30開演 於:帝国劇場
ヴォルフガング:山崎育三郎
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:香寿たつき
アマデ:黒木璃七
ずっと観たいと思っていて、やっと初見してきました~
やべーハマリそう・・・思った以上に好きになる予感・・・
観終わってから井上ヴォルフも超観たくなりました。でもな~お財布がな~東宝チケのリピは厳しい~あ゛~でもでもどうしよう~(> <)ノ゛
最近事前情報少なすぎの私。始まってから、ああパパは市村さんだっけ、あれ山祐出てたっけ?とか。あれはそんちゃんよね?とか、パンフ買ってから、え、華城季帆ちゃんいるの?とか(ダメすぎ)
天才の孤独、苦悩、正負のエネルギーがほとばしり、走り抜ける物語でした。
アマデ=才能という存在が設けられることでヴォルフの揺れる心情が非常にわかりやすい。アマデは常にきりっとした表情で楽譜に向かい続ける。本能のままに自由を謳歌したいヴォルフを強い眼差しで監視し続け、喜怒哀楽の最中の彼を押したり引っ張ったりして、どこを見ている、何を迷っている、おまえは何をおいてもとにかく音楽を作るのだ、作り続けるのだという強い意志を常に訴える。時に、愛する者を切り捨ててでも、音楽を作り続けよという強固なメッセージすら発しているように思える。本物の才能とは、本気の才能とは、すべてをなぎ倒してでも進んでいく機関車のようなものだと、思い知る気持ちになりました。アマデを演じる子役ちゃんは凄いなあ。大人が渦巻く舞台上で、冷静に動いていく。素晴らしい存在です。
天才はきっと、生まれ落ちた瞬間から死ぬまで止まらずに走り続けるのでしょうね。スランプというものに陥っている間でさえも、身体は動かずとも、神経は、その内なる世界は、ぐるぐると暗闇を巡り続け走り続けているのだと思う。そのことがこの作品でよくわかったように思えます。
山崎さんのアクロバティックな動きが凄かった~そのスピード感、全身で訴える感情、ヴォルフの動とアマデの静のコントラストに、その喜びも悲しみも、こちらの胸に響き続けました。
たーたんの♪星から降る金、素晴らしい(T T)この歌を物語の中でちゃんと聴きたいという目的もあった観劇でしたが、たーたんのやさしくかつ強く背中を押す歌い方に感動しました。(きっと涼風さんもいいんだろうな~)
<愛とは解き放つことよ 愛とは離れてあげること> ― パパの気持ちが痛いほどわかるので、こちらも切なく。
もし自分が親であったら、自分の子供を解き放ってあげられるかな・・・そんなことまで考えてしまいましたよ。仮想でもできなさそうで。子供を旅立たせてあげられる親は、立派だな、なんて。
才能を好奇の目で弄び、執着する人々の存在も風景の中で怪しく渦巻き。
吉野君のキャラはぴったりですねぇ。(そう、彼も出てるんだっけって思った一人。大好きなのに・・・)
祐一郎様の怪しい迫力。ヴォルフを手のひらで転がしてやろうと上から見下しながらも、その才能には畏怖の念を感じ、見下すことのできない別の存在を感じているかのような表情も見せ、この人もまた逆にアマデの存在に身を絡めとられているのだということを示してくれていたように思えます。
とにかく1回では物足りない・・・
再演もあるでしょうけれど・・・ううう・・・
特にレクイエムを書く場面を井上君でも見たいなあ。今回ちゃんとオペラを持っていってよかったです。ここの表情は寄り必須。井上君はどう演じるのかしら。
役者さんにとっては全ての役に思い入れがあるでしょうが、このヴォルフガングという役には特別な想いがありそうですね。
次がいつになるかわからないけれど、またリピートします、必ず。