「ツグノフの森」G2 produce

2007/5/20(日)14:00開演
於:三鷹市芸術文化センター 星のホール

事前情報全く無しで観にいったG2さんのお芝居。
面白かった。
笑える、という意味だけではありません。
頭の整理が苦手な自分ですが、
整理できないままの感想文を書きます。

<三角形は存在・・・する>

ストーリー自体は最後に謎解きもきちんとしてもらえるので
それほどわかりにくいものではありませんでした。
決してベタつかせず、それでいて観た人の心にがつんと刻む、
そんな方法で「人間の闇」を書ける作家さんだと思います。

観終わってからずっと<2次元の世界>について考えています。
パンフレットでG2さんが書かれている
「幾何学上では点が3つあって初めて“もの”は存在するという考え方がある」
という話。
点2つでは線だが、3つで少なくとも平面を定義できる。
平面は2次元。
2次元の世界は、面はあっても厚みが無い。
少しでも厚みがあるとそれは3次元となってしまう。
ミナヅキに話しかける三角形のペラペラ。
平面で横から見ると何も無いように見える。
ペラペラの円盤。でっかいのに横から見ると全く見えない。
「三角形は存在しない」という結論により、飛べなくなる円盤。
見えないから存在しないのか?
否、存在するのです。
見えないから存在を信じないのか?
信じた時、それは動き出す。
「母」に「娘」が触れた瞬間、解かれていく呪縛。
飛んでいく円盤。
見えなくても存在するもののことについて考えたい。
∴三角形は存在する
という証明をしてみたい。
解釈なんてできていませんが、
ペラペラが語ることが何であるかについて思いを巡らせてみたくなるのです。
探らなくていいところを探ってみたくなる。
面白いなあ。

G2さんの頭の中は一体どんなことになっているんだろう。
見た後も不思議な熱を保ち続ける芝居に久しぶりに出会った感じです。
片桐さんのお陰でまた良い演劇人に出会えた。

星のホール、小さいながらも優れたホールです。
HPに「あらゆる表現形態に適応するダイナミックな音響」とありますが、
本当にその通り。
音が重要なこの芝居。森を体感できました。

役者・片桐仁、かっこいい。
女性に触れるその指と表情は、人間への愛よりも、モノへの愛を感じました。
無機物を愛する男、に私は見えて、
仁さんでこそ表現しえるキャラクターではないかと思いました。
仁さん、乱歩の作品などやりませんかね~
想像が広がっちゃいましたよ。

役者・久ヶ沢徹もかっこいい。笑わせなくてもいい。
福田転球さん、いいですね!また好きな役者さんが増えました。

キリがないのでこの辺で。
「ツグノフ」、戯曲でも読みたいです。

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