2008/9/27(土)18:00開演 於:東京グローブ座
かしちゃんご出演の舞台「アプローズ」を観てきました。
http://www.puremarry.com/applause.html
告知から随分と時間が経っているから、ようやく!な感じです。
映画「イヴの総て」のミュージカル舞台化作品。映画を見ていないのですが、所謂バックステージもの。「コーラスライン」も思い出させるような、‘舞台に立ち続けたい人々’の物語です。
‘アプローズ’=拍手喝采。これが欲しくて舞台に執着する。
マーゴ、イヴ、そしてバックで踊ることしかできなくても舞台に立ちたい通称「ジプシー」と呼ばれる俳優たち。
マーゴのセリフにもありましたが、「舞台と結婚した」女優の私生活。大好きな人と結婚したいのに、女優が一番に大切にするのは舞台。恋人のビルもこれが彼女の魅力とわかっていながら、普通の女性として側にいてほしいと願う。そんな二人のすれ違い。しかし、最後には「本当に大切なもの」とは何かに気づいたマーゴはビルと結ばれる。ハッピーエンドです。想像ではマーゴは寂しい最後なのではと思っていたので、ほっとして嬉しくなりました。
私の年齢はマーゴと同じくらい。女優という立場を除いても最初から身につまされる何かを感じて見ていました。だからほっとした。でもマーゴはその分、アプローズの待つ舞台から遠ざからなければならないのだろうか?そんなことも懸念しながら劇場を後にしました。
イヴを恨むだけでなく、彼女は私と同じよ、と同情するシーンもあり、自分が歩んできた幸せと不幸が同時に存在する世界へ入ってしまったイヴを哀れむ気持ちが入ることも、それが今度はイヴへの感情移入の助けとなり、よかったと思います。
美波里さんが迫力で、そして笑わせるのが上手。イヴによって情緒が段々不安定になっていき、明るく勝気かと思えば急に弱々しく救いを求める演技も素晴らしかった。ダンス、演技ともメリハリがきいていて、さすがだな~と。かしちゃんを見たいのですが、つい美波里さんに目が行ってしまいました。流石です!
イヴののし上がっていく様は正に虎視眈々。冷静に振舞い、決して人に嫌われず、計算しつくして舞台の世界に浸透していく様が、かしちゃんとてもお上手でした。元々ヅカにおいても悪役が上手くて、今回もしおらしい表情から暗転していく中でふっと悪巧みを含む目つきに変わっていくという演技が秀逸。ファン的には、あ~その悪い目、ステキっっっ。
最後はプロデューサーの言いなりにならざるを得ない状況に陥り、しかし絶対私は負けない、成功してみせる、という表情でのエンディングでした。しびれる~
オープニングシーンはトニー賞の授賞式。客電が落ちて前奏が流れている時に、ふいっと私の前々列のお客さんが居なくなり、そこにささっと白いドレスを着た女性が着席。え!と思ったら舞台上が明るくなってプレゼンターの美波里さんが。てことは~受賞の名を告げられて席から立ち上がり振り向いたのは貴城さま。あまりに至近距離で見たので、なんか実感沸かずにボー然。
物語はこの受賞シーンでの一見良好そうな二人の関係に潜む確執が語られていくのです。
酒場に集うジプシー(舞台から舞台へ移動するからこの呼び名、でしたか)たちのミュージカルシーンも迫力。中心には紫城るいちゃんが。るいちゃん、テーブルクロス引きをやりました。見事成功。
「イヴの総て」をミュージカル化するにあたって、こういう明日を夢見る人たちの物語でもあるということを表すために、彼らのミュージカルシーンにもボリュームを持たせて作られているようです。
みんなが明日のマーゴであり、イヴであるのですね。
「ダンスシューズ(だったよね確か)か親を売らなければいけないとしたらどちらを売る?」の質問に間髪入れず「親!」と答えて爆笑。このくらいの気持ち・気合で舞台を夢見る人たちがいくらでも存在する。ショービジネス界でスターになる・あるいは生き残るということは、物凄いことなのだなと改めて思います。
佐野瑞樹君が上手かったな~おかまキャラが楽しそう。マーゴを変わらず敬愛し続ける様を常に感じられました。
ジプシーのみなさん、舞台が狭かったのでは?客席に飛び出してきそうな迫力が素晴らしかったです。
カーテンコールで美波里さんが投げた投げキッスを片手でがしっとキャッチした宮本さん。受け止めたぜ!みたいな感じでw
舞台に係わるみなさんが目指すもの。
この舞台にも客席からは熱烈な「アプローズ」が贈られました。
アプローズを贈る客席側もとても幸せ。
千秋楽まで怪我なく、頑張って下さいね!
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