花組芝居「花たち女たち」

2010/11/12(金)14:00開演 於:スペース・ゼロ
久しぶりに花組さんを観に行ってきました。
いや、好きです、花組芝居。
今回も改めて身に染みたな。
有吉佐和子の「芝桜」「木瓜の花」が原作。有吉作品は読んだことがないのですが、強く生きる女たちの話が面白かったなあ。花柳界というものがよくわからないのですが、実に興味深い世界で、原作でもっとどっぷりと知りたいなと思わされました。
今回は2チームに分かれての上演ということで、本当は久方ぶりに植本潤様の娘役を拝見したかったのですが、スケジュールの都合上、別チームを拝見することに。新たな娘役発見てのもいいかな、とも思い。で!正子役の堀越涼さん。たおやかで美しい娘役さんと出会えました。(でもやっぱり植本さんの正子も見たかったな・・・)
この人と一緒にいると困ることが多いのよね・・・という女友達。でも何故か腐れ縁が延々と続く存在。いるいる。(自分には特にいませんが、よく聞く)
蔦代と正子は全く違うタイプの女性で、自分はどちらかと無理矢理当てはめるのであれば正子タイプ。正子ちゃん、どうして蔦代ちゃんの面倒みちゃうの?って、何度もカチンときてしまいましたが、一緒に過ごしてきた環境や時代は今の時代に生きる私とは全く違うわけですから、測り知ることはできません。とにかく一緒に懸命に生きて、歳をとった時、笑いあって昔話ができるのであれば、お互いに意味のある存在であったと思うことができるのかな。
正子の最後の涙にもらい泣き。
ここはばっちり感情移入できましたよ。
男性ばかりの花組の魅力。
まず女役さんは惜しまず女の毒を出してくれる。そして残酷なほどに女が翻弄される様を生々しく表現する。でもそこには愛がある。男性目線の外側からの愛情ではなく、女性が独自に持つ女性であることへの愛というようなものを、女役さんから感じる取ることが私にはできる。女優より‘女性’をよりリアルに俎板の上に乗せてしまう女形の演技が、女である私に‘女ってこうだよな’という情報を俯瞰で見る目を与えてくれる。女形さんはきちんと女性を演じてくれるから、突きつけられる生々しさもすとんと受け入れて見ることができ、感情移入も自然にできる。うーん、上手く説明できていませんが。女形芝居はハマると醍醐味があるのですよね。私はハマるんですよ、女形さんのお芝居に。
そして全役者さんが自立していらっしゃいます。そこには男優だから女優だからという、互いへの甘えがない世界だからなのかな?と想像します。男性によるフォロー、女性によるフォロー、そんなものが成立しない舞台。これもまた、上手く説明できませんが・・・とにかく一人一人の個性がきちんと板に乗っている様がとてもきもちいいのです。みなさん、凛々しいです。
そう!Twitterでは早速つぶやきましたが。
会場に入って、まずパンフレットを買おうと思って売り場を覗いたら、植本さんがいらっしゃって、うわっうわっ、と内心小躍り。パンフにサインを頂いて感激っ。
そしてこの回の終演後には出演者との写真撮影会があり、ステキなお着物の女性がちらほらいらっしゃいました。時間がなかったので私は参加しませんでしたが、いいな~
金銭・時間に余裕がなくとも、花組は迷わず観にゆけ、と自分に。
来年の花組芝居OFFシアターも行けたら行きたいでっす。

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