2007/6/15(金)18:30開演 於:ル テアトル銀座
このお芝居に興味を持ってから約半年。
ようやく観てきました「宝塚BOYS」。
想像を超えた世界がありました。
演劇の持つ力を再確認した時間でもありました。
以下、感想文です。
上演時間約3時間。途中休憩15分。事前にその情報を見て、ひえ~長い!とびびりました。しかし、9年間の歴史を語るのであればそれくらいの時間は必要だろうと思われ、そう考えるとこれは気合の入ったお芝居に違いないと感じ、開演時間が迫るにつれてわくわくとした心持ちになりました。
パンフレットに書かれた演出の鈴木裕美さんによる今回の演出意図についてのお話。
このお芝居を観るお客は男子部員たちの夢が叶わないことを最初から知っている、(ロミオとジュリエットが最後どうなるのかがわかっているのと同じように)、どんな結末が待ち受けているか分かっていても、分かっているからこそ、男子部のみんなが生き生きと「宝塚」を愛する本物でなくてはならない、と。
(パンフレット本文のままの抜粋ではありません)
この演出があってこそリアルな世界が板の上に蘇ったのだと思います。
心から宝塚を愛し、いつか大劇場の舞台に立ちたいと願う「宝塚男子部」を<真面目に>演じてくれたキャストのみなさんのお陰で、単に「男が宝塚を演る滑稽さ」のみを強調するだけの芝居とはならず、宝塚歌劇を愛する観客、あるいは宝塚歌劇を知らなくても、舞台が好きな観客のすべての人に共感と感情移入をもたらすものとなったのだと思います。
終戦後、すべてを失い、希望のなかった時代の人々に、宝塚歌劇が与えた夢の大きさはきっと想像以上のものだったと思います。
こんな贅沢な現代においてもたくさんの人々の心の支えとなっている劇団です。
その当時のファンの思い入れがどれほど大きなものだったのか。そのことをも感じさせてくれるお芝居です。
ひたすら稽古をする日々。どんなに頑張っても日の目を見ない部員たち。
男女合同公演の企画が実現するのかしないのか、答えが長引き、やはり実現不可能かという空気の中での悲痛なセリフ、
「夢が見たい!」
胸を打たれました。
近くにいながらどうしても「大劇場」という夢の舞台を踏むことのできない男子たち。
男性だから夢を諦めなければならない。
そんな世界があるということが新鮮な驚きでした。
そしてあの女性だけが憧れていると思っていた世界を、男性も憧れ、夢見た現実があったということが確実に私の胸に刻まれたのです。
男は所詮男で、男臭くて女が好きで。どうしても女性の劇団員に気持ちがなびいて。
それでも年月を重ねる内、飼い殺しと心中思いながらも、自分たちは「宝塚」の研究生であるという自覚が芽生えていく様子もきっちりと演出されている。
真面目に取り組んだカンパニーの心意気が、「当時」の時間をそこに再現したのです。
男性キャストの演技には一点の照れも茶化しもない。すごい、と思います。
役者さんたちは本当の宝塚男子部を、板の上に再現できたと私は思うのです。
ラストのショーとフィナーレも真剣そのもの。
黒燕尾、ボレロ、羽根とシャンシャン。
客席の手拍子は、大劇場と同じ質の手拍子でした。
あ、もうひとつ、男子寮の場面で時々外から阪急電鉄の電車の走る音が聞こえてくるところなんか、丁寧な演出だなあとうれしく思いました。
初風諄さん。
私が初めて舞台で観たマリー・アントワネット様です。
この方の存在は大きい。
柳家花緑さん。
生真面目さがよく出た「リーダー」役でした。
本当に当時の人なのでは?と思ったくらいはまり役でした。
葛山信吾さん。
歌がお上手なので驚きました。(というか今まで意識したことがないので情報不足)
「モンパリ」ってこんなに良い歌だったのかとこんなところで気づかされました・・・
佐藤重幸さん。
なんかずっと目で追ってしまった・・・気になる・・・
吉野圭吾さん。
お願いです。大劇場に出演してください!大階段を降りてください!
ジェンヌに混ざっちゃってください!
三宅弘城さん、猪野学さん、須賀貴匡さん(二枚目~)、山路和弘さん。
いいお芝居ありがとうございました。
大楽まで頑張ってくださいね。
もう一回くらい観たいなあ。
地方公演、チケットまだありそうです。
気になっている方は是非!
コメント
演出が鈴木裕美さんだったのですか!?
それは、オモシロそうです
キンクリーツ好きです
ヅカファンが満足できる
笑いあり涙ありの舞台だったのですねぇ
兵庫でも追加公演が行われるようですね
幸さん・・・カモ~ン
●まめさん
そうです。キンクリーツの鈴木さんです。
この方の演出のものがもっと観たくなりました!
自転車キンクリート、観たことないので、
キンクリーツものも観たいです。
TEAM NACSも観たくなりました。
もしチケットが取れれば吉野圭吾さんをまた拝見できます。。
ヅカファンでなくても舞台好きな人なら共感できると思います。
でもヅカファンだと、もっと深くまで感じることができて泣けるかも。
カモ~ンて・・・呼ばれた!
スケジュール・・・
あーその週末に別の芝居が入ってまふ・・・
マジで行こうかと一瞬・・・
まめさん、いつか一緒に芝居観ましょうね。
くすん。